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ネットなしでも翻訳できるAI、PFNが「PLaMo 3 Translate」を公開

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ニュースの要点

Preferred Networksは11月5日、翻訳専用のAI「PLaMo 3 Translate」を公開しました。翻訳機能をアプリに組み込めば、文章をクラウドに送らず、スマートフォンなどの機器の中で処理できます。

インターネット接続なしでスマートフォン上の文章を翻訳するイメージ。
画像の権利情報

Preferred Networks(PFN)が公開したのは、すでに同社の翻訳サービスで使われているAIの「重み」です。重みとは、AIが学習で得た判断の手がかりを数値にしたデータです。開発者はこれをダウンロードし、スマートフォン用アプリや社内のシステムに組み込めます。

モデルには学習で調整した数値が約8億、20億、80億、310億個の4種類があります。使う機器の性能や翻訳する量に合わせて選びます。PFNは最小のモデルを使い、機内モードのスマートフォン上で訳文を出す実演を公開しました。

モデルの配布先はHugging Faceです。PFNの利用条件では、非商用は事前登録なしで使えます。商用は直近の事業年度の収入または売上が10億円以下などの条件を満たせば、用途を登録して無償で使えます。利用の際は、配布ページに記載された条件を確認する必要があります。

PFNは日本語と英語などの翻訳結果を他のモデルと比較しました。一部には同社が用意した評価問題が含まれます。アプリに組み込む際は、使いたい言語の組み合わせや文章で、訳の質と処理の速さを確かめられます。

このニュースをやさしく解説

要点

スマートフォンや社内の計算機で翻訳を動かすためのAIデータが公開されました。アプリへ組み込み、動作に必要な機器を用意すれば、文章を外部のサーバーへ送らずに翻訳できます。

アプリに組み込める翻訳AIを公開

PFNが公開したのは、翻訳AIの動作に使う数値データである「モデル重み」です。開発者はこれを入手し、スマートフォンやパソコン向けのアプリ、会社のシステムに組み込めます。利用には、モデルを動かすソフトと、それに合う計算能力やメモリーを備えた機器が必要です。

準備した機器の中で翻訳を済ませれば、原文や訳文を外部のサーバーへ送らずに使えます。PFNは最小モデルを組み込んだデモ環境で、スマートフォンを機内モードにして翻訳する様子を示しました。

使う機器に合わせて4種類から選ぶ

モデルは0.8B、2B、8B、31Bの4種類です。この数字はAIの規模を表します。持ち歩く端末で短い文章を訳すのか、会社の計算機で多くの文書を扱うのかによって、必要な速さや処理量は変わります。

導入する人は、実際の文書を使って訳の質と速さを確かめ、機器に合うモデルを選びます。PFNが公表した比較結果には、自社で用意した試験も含まれています。

会社で使う用語も指定できる

対応は日本語や英語など53言語です。導入時には、使いたい言語の組み合わせで訳文を確かめます。製品名や専門用語の訳し方を用語集として渡したり、文章の前後の情報を参考にさせたりすることもできます。

例えば、同じ部品名を社内で決めた呼び方にそろえる用途が考えられます。日本語へ訳すときには、です・ます調か、だ・である調かも指定できます。入手や商用利用には、PLaMoコミュニティライセンスの条件が適用されます。

この記事に出てくる用語を確認する
モデル重み
AIの学習で決まった数値データです。AIを動かすソフトがこのデータを使って翻訳などを処理します。
オープンウェイト
AIを動かすためのモデル重みを公開する方式です。公開元が定める条件に従って利用します。
解説の参考資料

本誌の考察

翻訳するために、文章をどこへ送るか

翻訳する場所を選べると、仕事で扱える文章の範囲も広がりそうです。例えば、部品の仕様を社外へ送らずに訳したい会社なら、自社の端末や計算機で処理する方法を選べます。翻訳を使うたびに外部へ文章を送る必要が減り、会社が決めた情報の扱い方に合わせて、日々の作業にAIを取り入れやすくなるでしょう。

ここからは、使う言語での訳の質と、端末の処理速度を確認したアプリが整った場合の想像です。工場の担当者が、海外から届いた部品の短い説明を手元の端末で訳します。通信が弱い作業場でも、その場で原文と訳文を見比べられます。部品名や数量は担当者が確かめ、判断に迷う表現を同僚へ相談する。翻訳の返事を待つ時間が減れば、現物を見ながら話を進めやすくなりそうです。

さらに、端末で扱える短い文と、より大きなモデルで訳したい長い文書を選び分ける仕組みも考えられます。必要な文書だけ、送ってよい範囲を確認して社内の計算機へ回す使い方です。身近な端末で訳す速さ、文書に合う訳の質、人が確かめる工程を組み合わせれば、翻訳は作業を中断して頼むものから、その場で仕事を進める道具へ近づくかもしれません。

参考資料

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