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生命・医療

OpenAI、生命科学AIを米大学の研究室へ 最大30人・最長1年無料に

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ニュースの要点

OpenAIは10月15日、米国の大学研究室向けに、生命科学AI「GPT-Rosalind」を使える支援プランを発表しました。対象の研究室は、審査を経て最大30席を最長12カ月無料で利用できます。

実体顕微鏡の資料写真。2008年撮影。
画像の権利情報

OpenAIは10月15日、米国の大学に所属する研究室向けに「Rosalind Academic Plan」を発表しました。審査を通った研究室へ、生命科学向けAI「GPT-Rosalind」を使えるChatGPT Business Standardの利用枠を、最大30人分、最長12カ月無料で提供します。

GPT-Rosalindは、生命科学の複雑な問いを考えるためのモデルです。OpenAIは、研究用ツールを組み合わせるRosalind Workbenchとともに、薬やタンパク質の設計、ゲノミクスなどの研究を支援すると説明しています。

申請は研究室の責任者がまとめて行います。所属機関や責任者の本人確認、研究内容、利用目的などを確認したうえで承認します。大学にOpenAI Enterpriseの既存契約がある場合は、その大学の手続きから利用を申請します。

公式の案内では、研究室の共有ワークスペースでChatGPTやCodexを使い、文献を調べたり、研究データを扱ったり、分析用のコードを書いたりできます。利用量にはプランの上限があり、APIアクセスは含まれません。

研究データは、初期設定ではモデルの訓練に使用しないとしています。無料枠の設定には支払いカードが必要で、無料期間の終了日やその後の条件は、研究室が受け入れる個別の案内で確認する仕組みです。

このニュースをやさしく解説

要点

生命科学の研究を助けるAIを、米国の大学研究室がまとめて使える支援プランです。研究室単位で申請し、審査を通ると最大30人分を最長12カ月無料で利用できます。

今回広がるのは、研究室で使う機会

GPT-Rosalindは、体や生き物の仕組みを調べる「生命科学」の研究向けAIです。今回の発表は、このAIを使えるChatGPTの利用枠を、米国の大学研究室へ無料で提供するプランについてです。

利用枠は最大30人分です。研究室の責任者が申請し、所属や研究内容などの審査と承認を経て使い始めます。すでに大学がOpenAI Enterpriseを契約している場合は、大学側の手続きから申請します。

論文を読むところから、実験の案を考えるまで

OpenAIは、論文などの文献調査、薬やタンパク質の設計、遺伝情報を調べる研究を用途として挙げています。タンパク質は体の中でさまざまな働きをする物質で、その形や働きを調べることも研究の対象です。

研究室では、共有の作業場所で資料を調べ、研究データを扱い、分析に使うプログラムを書くといった用途に利用できます。今回のプランが支援するのは、こうした研究を進めるための作業です。

無料で使える範囲とデータの扱い

無料期間は最長12カ月で、利用量には上限があります。外部のアプリからAIを呼び出す窓口であるAPIは、今回の提供対象外です。

研究データは、初期設定ではモデルの訓練に使わないとしています。データの保存には通常の保持条件が適用されます。設定には支払いカードが必要で、無料期間の終了日や終了後の条件は、それぞれの研究室への案内で確認します。

研究室のみんなで使うと、何が変わる?

例えば、学生が関連する論文を調べ、別の研究者がデータの分析方法を考え、それぞれの結果を持ち寄る使い方が考えられます。複数の人が同じ研究課題を違う角度から調べやすくなれば、次の実験で確かめたい案も比べやすくなるでしょう。

この記事に出てくる用語を確認する
生命科学
体や生き物がどうできていて、どう働くかを調べる分野です。遺伝子や細胞、病気の仕組みなどを扱います。
利用枠・席数
サービスを使える人数の枠です。今回の最大30席は、一つの研究室に提供する利用者数の上限を表します。
API
外部のアプリやプログラムから、AIなどの機能を呼び出すための窓口です。今回の無料提供には含まれません。
解説の参考資料

本誌の考察

小さな研究室から、治療を探す道が増える

最大30人分という提供枠から、本誌は研究室での議論が変わる可能性に注目しています。学生も研究者もそれぞれAIを使えれば、会議へ持ち寄れる調査や分析の案が増えます。研究室全体で使う機会を広げる今回の支援は、誰の疑問を次の実験へ進めるかにも関わってきそうです。

その先の研究を想像してみます。ある学生が、患者数の少ない病気について論文を読み、別の研究者が関連するデータを分析します。AIの支援で調査の手間が減れば、担当者の少ない研究室でも、複数の案を比べる時間を取りやすくなるでしょう。研究者は根拠を確かめながら、実験に使う設備や材料をどの案へ振り向けるか考えられます。

こうした研究室同士が結果を共有し、実験や臨床で確かめる体制までつながれば、一つの病気を各地の小さなチームが調べる未来も考えられます。ある大学で見つけた候補を別の大学が試し、結果を受けて次の案を練る。調査の支援から始まったAIが、専門の違う研究者たちの共同作業を広げていくかもしれません。

患者にとって、その変化は診察室で聞く話にも表れるでしょう。医師が自分の病気について、どこでどんな研究が進み、参加できる試験があるかを案内してくれます。遠くの小さな研究室で始まった問いが、次の治療を考えるときの選択肢として届く。そんな未来につながる使われ方を期待したくなります。

参考資料

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