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科学・新素材

ペーストを光で固める3D印刷 格子の試作が124分から30分に

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ニュースの要点

米ノースウェスタン大学は11月4日、ペースト状の材料を薄くのばし、光で固めて部品を作る3D印刷法を発表しました。穴の多い格子を作る試験では、従来の押し出し方式で124分かかったものを30分で作れました。

手袋をした手が、DIALで作った白い格子状の部品を持っている。
写真:Kristin Samuelson/Northwestern University(配信用にサイズを調整)
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ノースウェスタン大学の研究チームが開発した方法は「DIAL」と呼ばれます。研究成果は11月4日、科学誌『Science Advances』に掲載されました。粘りのある材料を使う押し出し方式と、光で形を作る方式の特徴を組み合わせています。

押し出し方式では、細いノズルから材料を出して線を描くように積み上げます。新しい方法では、刃でペーストを約50マイクロメートルの厚さにのばし、投影機から模様に合わせて光を当てます。1層ずつ同じ工程を繰り返して、立体を作ります。

材料は、刃で押されると流れ、力がなくなると形を保ちます。その性質を利用すると、光が当たらず固まっていない材料が作りかけの部品を支えます。印刷後は周囲の材料を洗い流して部品を取り出せます。

格子の試作では押し出し方式の124分に対し、30分で完成しました。別の試験では厚さ150マイクロメートルの壁を含む格子も作りました。研究チームは、電気を通す材料などを使った試作にも取り組んでいます。

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要点

材料を押し出す3Dプリンターは、歯磨き粉を絞るように細い線を描き、それを重ねて立体を作ります。細かな形を作るには出口を細くする必要がありますが、材料が詰まりやすくなります。線を一本ずつ描く時間もかかります。

細い線を描く代わりに、薄い層を光で固める

材料を押し出す3Dプリンターは、歯磨き粉を絞るように細い線を描き、それを重ねて立体を作ります。細かな形を作るには出口を細くする必要がありますが、材料が詰まりやすくなります。線を一本ずつ描く時間もかかります。

今回のDIALは、ペースト状の材料を刃で約50µmの薄い層にのばします。50µmは0.05mmです。そこへ作りたい断面の形に合わせて光を当て、その部分を一度に固めます。次の層をのばして同じ作業を繰り返すことで、立体ができあがります。

周りの材料が作りかけの部品を支える

この材料は、刃で力を加えると流れ、力がなくなると形を保ちます。歯磨き粉がチューブから押し出せても、歯ブラシの上ではすぐに流れ落ちない性質と似ています。光で固めていない周囲の材料も、刃が通り過ぎると流れにくい状態に戻ります。

そのため、空中へ張り出す部分も周囲の材料で支えながら作れます。部品と一緒に支柱を印刷し、あとで切り取る工程を省ける仕組みです。印刷が終わったら、固めていない材料を洗い流して部品を取り出します。

速さと細かさを、それぞれ実演で確かめた

穴が多い格子状の部品を作った比較では、従来の押し出し方式が124分、DIALが30分でした。これは、その部品で測った印刷時間です。別の実演では、壁の厚さが150µmの細かな格子も作りました。薄い層へ光を当てる方法なら、材料の出口の細さに頼らず、細部を作り込めます。

研究チームは、電池の中で電気を帯びた粒子を運ぶ「電解質」や、水分を多く含む柔らかいゲルでも複雑な形を印刷しました。材料が持つ働きと、細かな立体構造を組み合わせる研究が進んでいます。

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マイクロメートル
1ミリメートルの1000分の1です。50マイクロメートルは0.05ミリメートルです。
解説の参考資料

本誌の考察

食材に合わせて、ロボットの指を作り分ける

部品の使い心地は、材料と内部の形の組み合わせで変わります。DIALで注目したいのは、柔らかさや電気を運ぶ働きを持つ材料で、細かな空洞や格子まで作り込める点です。開発者が「何で作るか」と「どんな形にするか」を一緒に試しやすくなると考えられます。

例えば、食材を扱うロボットの柔らかい指に応用できれば、傷みやすい桃と滑りやすい魚で、指の曲がり方を変える未来も想像できます。材料の配合と内部の空洞を少しずつ変え、実際につかんで比べるのです。細かな形を短時間で試せるようになれば、小さな食品工場でも、自分たちの食材に合う部品を開発しやすくなるかもしれません。

食品を扱う現場で使うには、何度曲げても壊れず、洗浄しても性能を保ち、繰り返し同じ品質で作れることが必要です。印刷後に残る材料を取り除く工程も、その使い方に合わせて確かめます。こうした経験を材料の配合や形のデータと一緒に蓄積できれば、工場が食材を変えるたびに、交換する指の候補を選べるようになるでしょう。

参考資料

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