IBMの量子コンピューター、シカゴ大学で稼働開始 創薬や電力網の研究へ
ニュースの要点
IBMとシカゴ大学は、研究施設に設置した量子コンピューターの稼働を発表しました。大学や企業が、創薬や電力網などの計算方法を研究します。

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IBMとシカゴ大学は11月6日、米シカゴの研究施設Hyde Park Labsに設置した量子コンピューター「IBM Quantum System Two」が稼働したと発表しました。IBMの量子チップ「Nighthawk」を使う、同社にとってイリノイ州初の量子コンピューターです。
この実機は量子コンピューターで問題を解く手順を研究する「National Quantum Algorithm Center」の中心となります。大学、国立研究所、新興企業や一般企業の研究者がIBMと協力し、創薬や効率的な電力網などに向けた計算方法を探ります。
シカゴ大学によると、搭載チップは120個の量子ビットを218個の接続部で結びます。量子ビットは、量子コンピューターが情報を扱う基本単位です。各量子ビットを近くの4個とつなぐ構造により、従来のプロセッサーより複雑な計算手順を実行できると説明しています。
装置は施設の1階に置かれ、通りに面した窓から見える場所にあります。現在建設中の研究開発拠点「Illinois Quantum and Microelectronics Park」が完成した後は、同拠点へ移す予定です。
このニュースをやさしく解説
要点
今回の変化は、シカゴ大学の研究施設に量子コンピューターの実機が置かれ、11月6日に稼働が発表されたことです。研究者はこの装置を使い、新しい薬の開発や、電気を効率よく届けるための計算方法を研究します。
研究施設で、実機が動き始めた
今回の変化は、シカゴ大学の研究施設に量子コンピューターの実機が置かれ、11月6日に稼働が発表されたことです。研究者はこの装置を使い、新しい薬の開発や、電気を効率よく届けるための計算方法を研究します。
IBM Quantum System Twoは装置の名前で、Nighthawkは中で計算を担うチップの名前です。この実機を使う研究拠点には、大学や国立研究所、企業の研究者が集まり、IBMと協力します。
装置に合った計算の手順を探す
問題を解くために、どんな順番で何を計算するかを決めたものが「アルゴリズム」です。今回の拠点では、量子コンピューターを使って問題を解く手順を研究します。実機で試しながら、その使い道を探る場になります。
チップにある量子ビットは、情報を扱う基本単位です。大学は、量子ビット同士をつなぐ構造によって、従来より複雑な計算手順を実行できると説明しています。研究者は、こうした装置の特徴を生かす解き方を探ります。
薬や電力への応用を研究する
創薬や電力網は、この拠点が取り組む研究目標です。薬を開発する仕事と、街へ電気を届ける仕事では、解きたい問題も違います。それぞれの課題を量子コンピューターでどう計算するかを、大学や企業が協力して調べます。
実用へつなげるには、課題に合う計算手順を作り、その結果が研究や事業に役立つかを確かめる必要があります。今回動き始めた実機は、その検証に使う装置です。将来は建設中の量子技術の研究開発拠点へ移る予定です。
この記事に出てくる用語を確認する
- 量子アルゴリズム
- 量子コンピューターを使って問題を解くための計算の手順です。
本誌の考察
街の電気の使い方を、研究者と企業が一緒に考える
今回の稼働で注目したいのは、大学と企業の研究者が、同じ実機を使う研究拠点に集まることです。例えば電力網なら、電気を届ける現場の課題を、量子コンピューターで解く手順へどう置き換えるかが問われます。何を計算すれば暮らしの役に立つかを、分野の違う人たちが一緒に考える機会が広がりそうです。
研究から従来の方法より役立つ計算手順が見つかり、街の電力を調整する仕組みに組み込めたら、家庭の電気の使い方も変わるかもしれません。例えば、明日の出発時刻までに車を充電し、お湯も必要な時間までに用意する。各家庭の予定を守りながら、街全体で電気を使う時刻を調整する未来です。
この調整が普段のサービスになれば、住民が決めるのは「何時に使いたいか」で、細かなやりくりは計算機に任せられます。自宅に量子コンピューターがなくても、その計算が暮らしを支える場面はありそうです。朝の支度をいつもどおり進めながら、街全体では電気を無駄なく使える。そんな生活へのつながりを、この研究拠点から想像できます。
参考資料
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