DeepSeek、ゲームや3D制作を強化したAIを公開 自社のウェブ検索もAPIで提供
ニュースの要点
DeepSeekが、作品を仕上げる開発作業を強化した更新版AIと、ウェブ検索・本文取得のAPIを公開しました。

画像の権利情報
中国のDeepSeekは10月17日、画像と文章を扱うAI「DeepSeek-V4.1-Flash」の更新版「DeepSeek-V4.1-Flash-1017」を公開しました。公式ウェブサイト、アプリ、APIに導入し、モデルの重みも配布しています。同時に、自社の検索エンジンを外部の開発者が利用できるSearch APIと、ウェブページの本文を取得するFetch APIを公開しました。
今回の更新では、ゲームや3Dモデルなどを、最初から一つの作品として仕上げる開発作業を強化したと説明しています。AIが自分の作業へのフィードバックを使う強化学習を採用し、故宮の3Dモデル、ブラウザーで遊ぶレースゲーム、Godotエンジンで作ったゲームなどを実例として紹介しました。
DeepSeekが公表した評価では、ターミナルを操作して課題を解くTerminal-Bench 4.0のスコアが従来版の31.2から42.3へ、ソフトウェア開発のDeepSWE v1.1が74.2から77.0へ上がっています。同社は、課題を終えるまでの時間と出力する文章も短くなったとしています。評価にはそれぞれClaude CodeとMini-SWE-V2という作業用の仕組みを使っています。
新しいSearch APIは、検索語に合うウェブページを探し、URLや概要などを返します。Fetch APIは、指定したページの内容をMarkdown形式の文章にして返します。開発者は、AIが外の情報を調べてから作業するアプリに、この二つを組み込めます。
検索と取得のAPIは、いずれも成功した呼び出し1000回につき5人民元です。DeepSeekのAPIを通してHarness、Claude Code、Codexから使うサーバー側の検索・取得には現在料金がかからず、中国標準時11月1日午前0時から課金を始めると案内しています。これは日本時間の同日午前1時に当たります。
モデルと重みはMITライセンスで公開されています。開発者向けのモデルカードには、手元の環境で動かすための手順も載っています。DeepSeekは、自社の作業ツールHarnessではv0.2.1-rc.1以降の利用を勧めています。
このニュースをやさしく解説
要点
DeepSeekはゲームなどを一つの作品に仕上げるAIの能力を強化したと発表しました。同時に、ウェブ上で資料を探す機能と本文を取り出す機能を、外部のアプリから使えるようにしています。
一つの作品を仕上げる力
レースゲームを作るには、車やコースを用意し、操作に応じて画面が動くようにする必要があります。DeepSeekが今回強化したと説明するのは、こうした開発を最初から進め、作品として仕上げる力です。立体的な形を画面で表す3Dモデルや、実際に遊ぶゲームを実例として公開しました。
学習には、AIが自分の作業へのフィードバックを使う方法を採り入れています。同社が公表した開発課題の評価でも、従来版よりスコアが上がりました。コードを書くことから、道具を使って課題を終えることまでを扱う改良です。
資料を探す機能と本文を読む機能
APIは、別のアプリから機能を呼び出すための窓口です。今回のSearch APIは、検索語に合うウェブページを探し、URLや概要などを返します。Fetch APIは、指定したページの本文を、プログラムで扱える文章の形にして返します。
開発者はこの二つをつなぎ、関連資料を探して必要な本文を読み、制作に使うアプリを設計できます。AIに作品を作らせるとき、その題材に関する情報をウェブから集める手段も組み込めるようになります。
公開されたモデルの重み
モデルの重みは、AIが学習で得た内部の設定に当たります。DeepSeekはこれをMITライセンスで公開し、開発者が自分の用意した環境で動かす手順も示しました。公式サービスで使う方法に加え、公開されたモデルを自分たちの用途へ組み込むための資料がそろっています。
利用経路によって異なる検索料金
Search APIとFetch APIの通常料金は、それぞれ成功した呼び出し1000回につき5人民元です。検索して本文を取得する場合は、検索と取得を別々に数えます。
これとは別に、AIの作業用ツールであるHarness、Claude Code、Codexから、DeepSeekのAPIを通してサーバー側で行う検索・本文取得は現在無料です。この経路の検索・取得は、日本時間11月1日午前1時から課金が始まると案内されています。
この記事に出てくる用語を確認する
- API
- 別のアプリから、検索や本文取得などの機能を呼び出すための窓口です。
- 3Dモデル
- 建物や物などの立体的な形を、コンピューター上で表したものです。
- モデルの重み
- AIが学習で得た内部の設定に当たるデータです。
本誌の考察
調べたことを自分向けの体験にする
今回おもしろいのは、作品を仕上げるAIの改良と、資料を探して読む機能が同時に出たことです。この二つをつないだサービスが育てば、調べ物の結果を、動かして確かめられる小さな作品へ変える流れが広がると本誌は考えます。情報を集めるところから制作までの作業を、一続きに頼めるようになるためです。
例えば、旅先の古い城に興味を持った親子が、帰宅してから当時の暮らしを調べる場面を想像してみます。AIは博物館や自治体の公開資料を探し、読んだ内容をもとに、画面の中を歩いて回れる簡単な街を組み立てます。資料に記された建物を押すと、その場所でどんな仕事をしていたかを読めるようにするのです。
そこへ、出典を作品の中で確かめる機能や、作ったものを動かして不具合を直す仕組みが加われば、親子は遊びながら次の注文を出せます。市場に興味が湧いたら、品物を選ぶ遊びを加えてもらいます。建物の配置が気になったら、街を上から見渡せるようにするのも楽しそうです。疑問に合わせて作り替えることで、同じ資料から家族ごとに違う学び方が生まれます。
一つの体験を作る手間が減れば、学校の先生や地域の資料館も、ひとクラスや町内向けの作品を用意しやすくなるでしょう。その地域の祭りや昔の仕事を題材にして、子どもがどこで迷い、何を面白がったかを見ながら内容を直せます。授業や展示のたびに、参加する人に合う遊び方を考えられるようになります。
こうした使い方が広がると、資料を詳しく知る人や、面白い遊び方を考える人の工夫を、個々の作品へ取り込みやすくなります。地域の人が残した説明をもとに、離れて暮らす家族が同じ昔の街を歩いて遊ぶ未来も考えられます。ウェブで知ったことから、自分たちで試したい体験をその場で作って楽しむ休日が、調べ物の新しい楽しみ方になるかもしれません。
参考資料
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